<挺舌>

こんにちわ。

 

想形会 代表の山本です。

 

今日は一つマニアックなものを……と思いまして、「挺舌」についてお話をしてみたいと思います。あまりがっつりST向けみたいなものは、想形会では触れてこなかったので、良い機会に一筆とらせて頂きます。

 

「挺舌」は、STなら誰しも……というか、

評価やリハとして用いたことが無いという人は居ないかと思います。

臨床の場面でも、挺舌範囲を拡げようとリハをしているSTを良く見かけます。そこでなのですが、注意しなければならないことがいくつかありますので、簡単にお伝えをできればと思います。

 

①下顎の代償により挺舌されているように見えることがある。

②表情筋の代償により、見かけ上の挺舌範囲が拡がることがある。

③下唇までと、下唇を超えての挺舌では用いられる筋群が違う。

 

3つです。もちろんこれだけでは無いですが、この3つは見落とされやすいが大切と思っていることを挙げました。

 

これは、舌はあまり動いて無いにも関わらず、下顎が開口することで挺舌がされているように見えてしまう現象です。最近、挺舌を徒手的に誘導するSTが増えてきていますが、誘導の仕方には気を付けましょう。

 

最近良く感じるようになりました。舌自体はそれ程前方へと動いていないのですが、笑筋等が口角を強く引くことで一見挺舌の範囲が拡がっているように見えてしまいます。これはおそらく患者様が挺舌範囲を拡げようとして視覚的なフィードバックを優先した結果の代償なのかなと思います。鏡を用いて舌運動を行う場面も多いと思いますので、良く気を配りましょう。

 

これはとても大切ですね。挺舌というと基本的には外舌筋の活動という印象ですが、これは下唇までの話です。下唇を超えて舌が前方へ突出するためには、内舌筋が同期的に収縮し、舌の体積を前方へと押し出すことで成立しています。なので、舌尖の形成を誘導するように内舌筋の活動を求めていくことは、挺舌範囲を拡げる上でとても重要な要素になります。

 

 

臨床としては、挺舌の範囲を拡げることよりも挺舌動作を介して何を求めているかの方が重要にはなりますが、普段自分たちが当たり前にしている手技や内容について改めて振り返ることで、皆様の日々の臨床に少しでもお役に立てればと思い寄稿いたしました。

 

短い投稿ではありますが、今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

 

 

2020821

 

想形会 代表 ライフサポート明和 山本 総

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